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憲法草案前文

私たち人間は、生きていること自体に価値がある。そして、命あるものを愛し、愛され、幸せを感じて、尊厳のある生を全うするために生まれてきたと言える。人類の文明は、このような人間本来の生き方が、不安や恐れに支配され、自己を失うことで阻まれることがないよう進歩を遂げてきた。

私たちは、古来、飢餓や欠乏への恐れから脱するため、産業を興し、技術革新を進め、生産力を向上させてきた。また、圧政や搾取による隷従や暴力、差別から脱するため、幾多の困難を乗り越え、民主的な法制度を整備し、自由と平等を獲得してきた。さらに、戦争による殺戮への恐れから脱するために、平和の誓いに基づく取決めを結び、国際機関を設立し、官民の交流を進めてきた。そして今日、これらの努力の結実である平和的生存権には、至高の価値が置かれている。

しかし一方で、文明の発展は、人類の生存を脅かすほど環境破壊を深刻化させ、資源枯渇や食糧危機などの問題を惹起している。また、過度な経済至上主義は格差を拡大させ、開発途上国においては、貧困や抑圧を招き、我が国を含む先進国においては、貧困層の増大や雇用の不安定化を生じさせている。私たちは、物質的豊かさよりも命や心を大切にする方向へと文明を大きく転換させることで、これら諸問題を克服し、そこに起因していた不安や恐れを解消した社会を未来世代へと繋いでいかなければならない。

私たち日本人は、いにしえより、自他の別なく万物を敬い、内外を問わず和を尊び、海外から吸収した文化を昇華し、有徳の治を範としてきた。しかし、我が国は、先の大戦において、多くの国々や自国民に対し、甚大な惨禍をもたらした。さらに、未曽有の被害を発生させた原子力発電所事故を起こし、今なお人心を脅かし続けている。私たちは、これらの事実を直視して率直に反省する姿勢を堅持し、先人に倣い、世界を平和で安全にしていく役割を担うことを誓う。

我が国は、権限が中央に集中する構造であるため、意思決定に民意が反映されにくく、このような事態を招いたとも言える。これからは、地域社会に重きを置く多極分散型の社会を目指して、民意に基づく運営がなされるしくみを構築しなければならない。

社会のために私たちが存在しているのではなく、私たちのために社会は創られ、存在しているのである。私たちは、不安と恐れを取り除き、全世界の人々が平和と安らぎのうちに、人間本来の生き方ができる社会を率先して創ることを、ここに誓う。その実現のため、憲法を改正する。

「市民がつくる憲法草案」発表会見 動画リンク(YouTube)

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